Windows Updateは本来、PCをより安全に快適にするためのもの。けれど今月の更新は、ユーザーにとって“悪夢”となる事態を引き起こしています。SNSやフォーラムには「SSDが消えた」「大容量ファイルを書き込んだら認識されなくなった」といった声が相次ぎ、騒然としています。この記事では、いま何が起きているのか、その背景と対応策をやさしく整理していきます。
アップデートが招いたSSD“消失”現象
8月12日に配信されたWindows 11向けのセキュリティ更新プログラム「KB5063878」が、一部のPCで深刻な不具合を引き起こしていることが報告されています。
具体的には、SSDやHDDが突然「未認識」になったり、RAWフォーマットに変化してしまいアクセス不能になるケース。
とくにPhison製コントローラーを搭載したSSDで発生率が高いとされ、SNS上でも「データが消えた」と悲鳴が上がっています。
50GB以上のデータ転送と使用率60%が引き金?
この不具合はランダムに発生するわけではなく、一定の条件で発症しやすいことが分かっています。
・50GB以上のファイルを移動・書き込みしたとき
・ストレージの使用率が60%を超えているとき
つまり、大容量ゲームのインストールや動画編集など、重い作業をするタイミングが“引き金”となるのです。
Reset機能や配信アプリにも波及する影
問題はSSDだけではありません。
同じ8月の更新(KB5063875など)で、「Reset this PC」や「Fix problems using Windows Update」といった復旧系の機能が動かなくなるバグも確認されています。
さらに配信者やストリーミング利用者にとっては、OBSやNDI Toolsといったアプリの映像がカクつく、音ズレが起こるといったパフォーマンス低下も大きな痛手。原因はRUDP通信との相性で、現在の回避策はTCP/UDPへの切り替えしかありません。
ユーザーの声から見える“不安”と“知恵”
ネット上ではリアルな声が飛び交っています。
- 「アップデートでSSDが消えた、復旧できず泣いた」
- 「50GBゲームのインストールで発症、タイミングが悪すぎ」
- 「Reset機能が壊れてて草、もう何もできない」
- 「配信カクつきでOBSユーザー困惑」
- 「アンインストールしたけど不安、セキュリティ大丈夫かな?」
- 「Microsoft、早くパッチ出してくれ」
この混乱のなかでも、知恵を絞る声もあります。
・「アンインストールして自動更新をオフにすべき」
・「大量のデータ移動を避けて、次のアップデートを待つのが安全」
今できる現実的な対策
では、ユーザーはどう行動すればよいのでしょうか。
1. データのバックアップを最優先に
外付けHDDやクラウドにコピーを残す「3-2-1ルール」で、データを守りましょう。
2. 50GB以上の転送を控える
不具合の引き金を避けることが、いま取れる最も効果的な策です。
3. 必要ならKB5063878をアンインストール
Windows Updateの「更新履歴」から削除が可能です。自動更新を一時停止して様子を見る選択肢もあります。
4. 配信者はRUDPを使わない設定に変更
TCPやUDPに切り替えるだけで、映像のカクつきは改善されます。
5. 修正パッチの確認
一部バグはKB5066189などの修正パッチで改善されるケースもあるので、Microsoftの最新情報を随時チェックしましょう。
結論:アップデートと共存するための心得
今回の騒動が示しているのは、「最新=安全」とは限らないという事実です。
アップデートはセキュリティを守るために必要不可欠ですが、ときに“副作用”をもたらします。
そんなときに唯一の救いとなるのが、やはりバックアップ。データを守る最後の砦です。
そして、慌てずに次の9月アップデートを待つこと。これは“待つことの美学”であり、デジタル時代における賢いユーザーの姿勢といえるでしょう。