2025年5月18日、プロ野球パ・リーグ、千葉ロッテマリーンズ対北海道日本ハムファイターズの一戦(ZOZOマリンスタジアム)は、球史に残る劇的な幕切れを迎えました。
主役は、千葉ロッテのドラフト1位ルーキー・西川史礁選手(22)。延長12回裏、1死一、二塁のチャンスで代打出場すると、プロ初となるサヨナラタイムリーヒットを放ち、チームを2-1の勝利に導いたのです。
それまで17打席無安打と苦しんでいた西川選手にとって、まさに魂の一振り。ヒーローインタビューでは涙と笑顔を見せ、球場だけでなくSNS上でも多くのファンに感動を呼び起こしています。
ヒーローは22歳ルーキー!延長12回、魂の一振り!
劇的すぎる幕切れ!1死一、二塁からの初球打ち
1-1で迎えた延長12回裏、千葉ロッテは先頭のポランコ選手がヒットで出塁し、犠打と申告敬遠で1死一、二塁のサヨナラのチャンスを迎えます。ここで代打としてコールされたのが、ドラフト1位ルーキーの西川史礁選手でした。
日本ハムの6番手・山本拓実投手が投じた初球、141キロのカットボールを西川選手は迷いなく振り抜きました。打球は右中間を深々と破るタイムリー二塁打となり、劇的なサヨナラ勝ちを決めました。ZOZOマリンスタジアムは割れんばかりの大歓声に包まれました。この一打は、新人が延長12回以降に代打でサヨナラ打を放った記録としては、1992年の広島・町田公二郎選手以来33年ぶりの快挙となりました。
18打席ぶりの快音!苦悩の日々を乗り越えて
西川選手にとって、このサヨナラ打は格別の意味を持つものでした。開幕戦でスタメン出場を果たし、5試合連続安打を記録するなど順調なスタートを切ったものの、その後はプロの壁に直面。4月12日には打撃不振のため一軍登録を抹消されるなど、苦しい時期を過ごしました。再昇格後もなかなか結果が出ず、この試合まで17打席連続無安打(このサヨナラ打が18打席ぶりの安打)と、もがき苦しんでいました。
一部報道では、打てない試合後に室内練習場で泣きながらバットを振っていた姿も伝えられるなど、その苦悩の深さがうかがえます。この一打は、そんな苦しみから解放される、まさに値千金の一打となりました。
涙と笑顔のヒーローインタビュー「本当に、本当に良かった」
「チャンスを潰してきた…」素直な言葉にファンもらい泣き
試合後、お立ち台に上がった西川選手は、チームメイトの小野郁投手と共にヒーローインタビューに臨みました。
「これまでことごとくチャンスをつぶしてきた。本当に良かった。つないでくださった皆さんに感謝でいっぱいです!」と、時折言葉を詰まらせ、涙を浮かべながら喜びを語りました。
「最近嬉しい思いっていうのはなかなかなかったので、その分打った時、皆さんが迎え入れてくれる時には、本当に、感情が溢れました」と、苦しかった胸の内を明かし、ファンからは温かい拍手と共感の声が送られました。
チームメイトからの手荒い祝福!歓喜のウォーターシャワー
サヨナラ打を放った直後、西川選手はチームメイトから手荒いウォーターシャワーの祝福を受け、満面の笑みを浮かべました。苦しい時期を乗り越えたルーキーの劇的な一打に、チーム全体が大きな喜びに包まれました。
吉井監督も称賛!西川史礁ってどんな選手?
「攻める気持ちが一番強い」指揮官が託した信頼
千葉ロッテの吉井理人監督は、延長12回の土壇場で西川選手を代打に送った理由について、「攻める気持ちは一番、彼が強いかなと。ああいうところは引いちゃうと絶対やられる。前へっていう気持ちが一番強い選手」と語り、その積極性を高く評価しました。この起用が見事に的中し、チームに大きな勝利をもたらしました。
ドラ1の輝かしい経歴とポテンシャル
西川史礁選手は、2003年3月25日生まれの22歳、和歌山県出身の外野手です。右投げ右打ちで、身長182cm、体重88kgの恵まれた体格を誇ります。
経歴は龍谷大平安高校から青山学院大学へ進み、2024年のドラフト会議で千葉ロッテマリーンズから1位指名を受け入団しました。背番号は「6」。
青山学院大学時代にはリーグ戦で2度のMVPを獲得し、侍ジャパン大学代表の主力としても活躍。2023年3月にはトップチーム入りも経験するなど、その長打力とポテンシャルは高く評価されてきました。
西川史礁選手 プロフィール
| 項目 | 詳細 |
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| 名前 | 西川 史礁 (にしかわ みしょう) |
| 生年月日 | 2003年3月25日(22歳) |
| 出身地 | 和歌山県 |
| 身長/体重 | 182cm/88kg |
| 投打 | 右投げ右打ち |
| ポジション | 外野手 |
| 経歴 | 龍谷大平安高 - 青山学院大 - 千葉ロッテマリーンズ (2024年ドラフト1位) |
| 背番号 | 6 |
| 2025年5月18日時点の主な成績(サヨナラ打含む) | 打率.157 (試合前.145)、安打11本 (試合前10本)、打点3 (試合前2点) |
※成績は試合後の報道に基づく推定値を含む場合があります。
試合を分けたターニングポイント
9回2死からの奇跡!ソトの起死回生6号同点ホームラン
この日の試合は、西川選手のサヨナラ打に至るまでにも大きなドラマがありました。0-1と日本ハムにリードされて迎えた9回裏、千葉ロッテは2アウトランナーなしと絶体絶命のピンチに追い込まれます。しかし、ここで4番のソト選手が日本ハムの守護神・田中正義投手から起死回生の6号ソロホームランをライトスタンドへ叩き込み、土壇場で同点に追いつきました。この一発がなければ、西川選手のサヨナラ劇もありませんでした。
粘りの投手リレー!ボス8回無失点、小野5年ぶり白星
投手陣の踏ん張りも光りました。先発のボス投手は来日後最長となる8回を投げ、3安打無失点5奪三振と圧巻のピッチングを披露。9回に鈴木昭汰投手が1点を失ったものの、その後は中森俊介投手、木村優人投手、そして12回を三者凡退に抑えた小野郁投手が無失点リレー。5番手で登板した小野投手は、2020年以来5年ぶりとなる嬉しい白星を手にしました。
SNSも感動の嵐!ファンからの声援が力に
「泣いた」「最高の試合!」トレンドを席巻
西川選手の劇的なサヨナラ打と涙のヒーローインタビューは、SNS上でも大きな話題となりました。「感動して泣いた」「最高の試合をありがとう」「西川くん、よくやった!」といった称賛と祝福のコメントが溢れ、X(旧Twitter)では「西川史礁」がトレンド入りするなど、大きな盛り上がりを見せました。苦しんでいたルーキーの一打が、多くのファンの心を揺さぶった証と言えるでしょう。
この一打をきっかけに!西川とマリーンズの逆襲なるか
苦しんだルーキーの覚醒に期待
18打席ぶりの安打が劇的なサヨナラ打となった西川史礁選手。この一打が、今後の打撃開眼のきっかけとなるか、大きな注目が集まります。
「今日の打席も冷静になって振り返ってみると、しっかり自分のタイミングでボールに入っていけたというか、そういう感覚があったので、このヒットをきっかけに明後日からも打てるように、チームに貢献できるように頑張りたいと思います」とヒーローインタビューで語った西川選手。
苦しみを乗り越えて掴んだ大きな成功体験は、間違いなく今後の大きな糧となるはずです。この日のヒーローが、千葉ロッテマリーンズの反撃の狼煙を上げる存在となることを、多くのファンが期待しています。