放送100年記念!2025年の特別番組・イベント総まとめ【NHKから民放まで完全ガイド】

放送100年プロジェクトとは?NHKが掲げる「ひとりを思う、みんなのメディアへ。」

1925年から始まった日本の放送史

2025年3月22日、日本は放送開始から100年という記念すべき節目を迎えました。1925年3月22日、東京・芝浦の仮放送所から「JOAKJOAK、こちらは東京放送局であります」という日本のラジオ第一声が流れたのが始まりです。関東大震災からおよそ1年半後、人々に確かな情報を伝えたいという思いとともに、ラジオという新しいメディアが誕生しました。

NHKは放送100年を迎えるにあたって、視聴者の皆様に感謝の思いを込めて「放送100年プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、ラジオからテレビまで、報道からエンターテインメントまで、さまざまな波とジャンルで放送100年にふさわしい魅力的なコンテンツを発信していく大規模な取り組みです。

サザンオールスターズ「神様からの贈り物」がテーマソング

放送100年プロジェクトの関連番組テーマソングとして、サザンオールスターズの「神様からの贈り物」が採用されています。この楽曲は、3月19日にリリースされたNEWオリジナル・アルバム『THANK YOU SO MUCH』に収録されており、日本の先達が築き上げてきた芸能(エンタメ)へのリスペクトを込めた内容となっています。

桑田佳祐さんは「振り返れば、人生の大切な事はいつも、テレビやラジオ、ポップ・ミュージックが教えてくれたように思います。芸能(エンタメ)、諸先輩方への愛と感謝を込めた1曲です」とコメントしており、放送および芸能の歴史が凝縮された映像と楽曲が組み合わさったスペシャルムービーも制作されています。

視聴者参加型企画「みんなのベスト紅白」

特に注目すべき企画として「みんなのベスト紅白」キャンペーンが実施されています。これは、これまでに放送してきた「紅白歌合戦」の中から、視聴者の皆様の心に残る「ベスト紅白」を募集し、ご紹介するキャンペーンです。思い出に残っている歌やシーンを、ご自身のエピソードと共に投稿することができ、その投稿を基にした特集番組も放送されています。

見逃せない記念番組ラインナップ!注目の特別企画を徹底紹介

NHK総合の大型特別番組

3月22日(土)の夜7時30分から、NHK総合で特別番組『放送100年 時代を超えて 3世代が選ぶあの番組』が生放送されました。この番組では、視聴者1万人へのアンケートをもとに、3世代にわたって記憶に残るNHKの名番組が紹介され、時代ごとの人気番組やアナウンサーたちの活躍が丁寧に振り返られました。

さらに3月23日(日)夜11時からは『メディアが"私たち"をつくってきた!? ~ラジオ・テレビ・インターネットの100年~』が放送されました。姜尚中氏(東京大学名誉教授)、平野啓一郎氏(作家)、アンジェリーナ1/3(ラジオパーソナリティー)をゲストに迎え、メディアの"これまで"と"これから"を73分間徹底討論しました。

大阪放送局「BK100年まつり」で朝ドラ48作品が大集合

大阪放送局は2025年6月1日に放送開始から100年を迎えることを記念し、5月31日(土)~6月1日(日)に「BK100年まつり」を開催しました。この イベントの最大の見どころは、BK制作の朝ドラ48作品が大集合する展示です。

48作品すべてを振り返ることができるパネル展示に加えて、ヒロインの直筆メッセージ、作品の小道具や衣装、台本が展示され、「ここに来ないとわからない話」が満載の内容となっています。また、6月1日には7時間生放送でラジソン(ラジオマラソン)も実施され、尾野真千子さんや濱田マリさんがBK朝ドラの名場面を振り返りました。

文化放送・民放各局の記念番組も見逃せない

NHKだけでなく、民放各局でも記念番組が放送されています。文化放送では3月31日(月)午前9時から「昭和100年スペシャル」として特別番組3本を編成しました。

? 『第5スタジオは礼拝堂~日本文化放送協会 そのはじまりの物語』
? 『石原裕次郎アワー~昭和太陽伝説~』
? 『ドンとモーグリとライオンと ~やなせたかし 名作前夜』

これらの番組では、文化放送誕生にまつわる物語、石原裕次郎の知られざるエピソード、やなせたかし文化放送に遺した貴重な"名作のタネ"などが紹介されています。特に、伊東四朗さんが案内人を務め、「昭和100年スペシャル」企画を盛り上げています。

全国各地で開催中!放送100年記念展・博物館特別企画

NHK放送博物館で災害報道の歴史を振り返る

東京・港区にあるNHK放送博物館では、放送100年を記念して特別に常設展示を充実させています。特に注目すべきは、近年相次ぐ災害への取り組みの展示です。

情報を迅速に伝えるため、技術は進化を続けてきました。取材カメラの記録媒体は、現像に時間を要するフィルム式からテープ式にかわり速報性が大きく向上し、テープをいち早く放送局に届けるために「投下袋」が使われていたという興味深い展示も見ることができます。

日本ラジオ博物館「ラジオ放送開始百周年記念展」

長野県松本市の「日本ラジオ博物館」では、3月15日(土)から12月14日(日)まで「ラジオ放送開始百周年記念展」を開催しています。期間中、通常展示に加えて1910~1920年代のラジオやスピーカー、レシーバーなど28台、1920年代の無線雑誌など6点、真空管2点が特別展示されています。

同館では「日本のラジオ放送が始まってから100年、AMラジオ放送はほぼ同じ周波数、形式で続き現在に至っています」と述べており、ラジオの原点に触れる貴重な機会を提供しています。

各地で開催される記念展示の見どころ

シャープは奈良県天理市にある展示施設「シャープミュージアム」にて、「ラジオ放送100周年記念展-よみがえった100年前のラジオで放送を聴いてみませんか-」を開催しました。この展示では、シャープの創業者である早川徳次が開発した国産第1号の鉱石ラジオ受信機の歴史を振り返ることができます。

1925年に日本で初めてのラジオ放送局が開設されるというニュースに触れ、大阪の心斎橋にあった時計店で米国製の鉱石ラジオを購入したことが、早川徳次のラジオ事業化のきっかけとなったという興味深いエピソードも紹介されています。

NHKも稲葉延雄会長が「SNSなど真意の定かじゃない情報が氾濫し、正しい情報を入手しづらくなった。そうした状況で報道機関の使命、重要性は増している」と述べており、放送100年を機にメディアの役割と責任について改めて考える機会となっています。