萩生田光一氏の政治資金問題から復活まで
2728万円不記載問題で党役職停止処分を受ける
萩生田光一前政調会長は、2024年4月に自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件により、1年間の「党の役職停止」処分を受けました。萩生田氏の不記載額は2728万円で、自民党では3位の高額となりました。
萩生田氏は旧安倍派(清和政策研究会)の実力者グループ「5人組」の一人として注目されており、政治資金収支報告書に記載していなかった問題について「派閥のルールを踏襲したとはいえ、足を止めて考えなければならなかったと反省している」とコメントしています。
2025年4月に処分期間満了で政治活動本格再開
2025年4月3日に党の役職停止処分期間が満了となり、萩生田氏は政治活動を本格化させました。同年4月16日には、国際機関「東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)」を支援する超党派議員連盟の新会長に就任し、二階俊博氏の後任として活動を本格再開しています。
2024年衆議院選挙での逆風を乗り越えた組織戦
無所属での出馬と厳しい選挙戦
2024年10月の衆議院選挙で、萩生田氏は政治資金問題により自民党の公認を得られず、初めて無所属で立候補しました。東京24区での選挙戦は「かつてない厳しい選挙」と関係者が語るほど厳しい状況でした。
選挙戦初日には「派閥のルールを踏襲したとはいえ、足を止めて考えなければならなかったと反省している。申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げ、謝罪から選挙戦をスタートしました。
組織力を活かした勝利の要因
厳しい逆風の中でも萩生田氏が勝利できた要因として、以下が挙げられます:
- 地元自民党支部による推薦と組織的支援
- 高市早苗氏、茂木敏充氏、小林鷹之氏など閣僚経験者の応援
- 安倍昭恵氏や元衆議院議長の伊吹文明氏による支援
- 2000人収容の総決起大会に1800人近くが集結する組織力
非公認となったにも関わらず、事務所には公認候補と同様の推薦状やため書きが日々増えていき、東京都知事の小池百合子氏のため書きも確認されました。
統一教会問題との関係と説明責任
関連施設への訪問が発覚
2022年6月、萩生田氏と生稲晃子参議院議員が参院選直前に統一教会の関連施設を訪問していたことが発覚しました。萩生田氏は「スタッフが調整したと聞きました。突発的な日程に候補者も不慣れだったため、現場にいた私も同行しました」とコメントしています。
長期にわたる関係の指摘
元統一教会信者の証言によると、萩生田氏は選挙前や民主党政権時代に月1~2回、水曜礼拝に参加していたとされ、「教団内用語を使う萩生田さんを八王子教会の会員だと思っていました」との証言もあります。
また、萩生田氏の資金管理団体と選挙区支部は2012~2019年に計6回、教団関連団体「世界平和女性連合」に計9万円を会費として支出していたことも明らかになっています。
2025年政治活動本格再開の意味と今後の展望
超党派議連会長就任の意義
2025年4月16日、萩生田氏はERIAを支援する超党派議員連盟の新会長に就任しました。会長就任にあたり「米国の関税措置はASEANにも深刻な影響が出ている。日本が前面に立って協力を推進していかなければならない」と述べ、国際情勢への積極的な関与を表明しています。
石破政権との距離と党内力学への影響
萩生田氏は石破茂首相と距離を置く立場にあり、処分期間満了により活動を本格化させることで、党内力学にも影響を及ぼす可能性が指摘されています。旧安倍派の重要人物として、今後の自民党内での動向が注目されます。
政治資金問題により一時的に表舞台から離れていた萩生田氏ですが、2025年の政治活動本格再開により、再び政治の中枢で存在感を示していくものと予想されます。