池井戸潤が新たに描いた『俺たちの箱根駅伝』。2026年に日本テレビ系で連続ドラマ化されることが決まり、いま再び注目を集めている。舞台は大学駅伝、つまり正月の風物詩「箱根駅伝」だ。だがこれは単なる青春スポーツ小説ではない。箱根を目指す学生ランナーたちと、それを中継するテレビ局の人々──“走る者”と“伝える者”の二つの情熱を交差させた物語だ。
まるで“駅伝版・下町ロケット”！？物語のあらすじと見どころ
舞台は名門・明誠学院大学陸上競技部。かつて箱根駅伝で名を馳せたチームだが、今は二年連続で予選落ち。主将の青葉隼斗たちは、最後のチャンスにすべてを懸ける。だが、選手たちの努力の裏では、テレビ局側の物語も進む。大日テレビのスポーツ局スタッフたちは、「中継とは何か」「感動をどう伝えるか」を巡って葛藤する。 池井戸潤らしい熱量のある群像劇でありながら、銀行でも企業でもない、“学生スポーツ”という新しい舞台が新鮮だ。勝敗よりも、人がどう立ち上がるか──そんなテーマが全編に流れている。
池井戸潤が箱根駅伝を選んだ理由と、作品が描く“努力の本質”
池井戸氏は「もう二度と、こんな小説は書けない」と語っている。10年以上の取材を経て完成したという本作では、箱根駅伝中継の細部までリアルに描かれる。例えば、小説では「小涌園前中継所」など実際の地名を織り込み、現場スタッフや学生の息づかいがそのまま伝わる。 銀行員や町工場の奮闘を描いた『半沢直樹』や『下町ロケット』と比べても、この作品は“努力”そのものを純粋に見つめている。汗、涙、信頼、敗北──それらを包み込むのは、走る意味を探す若者たちの物語だ。
なぜ2025年秋にドラマ化発表？“今”この物語が注目される背景
ドラマ化の正式発表が行われたのは2025年10月。ちょうど駅伝シーズンを目前に控えたタイミングだ。駅伝人気は年々高まり、SNSでは「正月といえば箱根」という声が定番になっている。そんな中、池井戸作品がこのテーマを選んだこと自体が象徴的だ。 作品のもう一つの軸──テレビ中継の裏側──は、現代の“メディアの使命”にも通じる。視聴率や数字よりも、“どう感動を伝えるか”。まさに今の時代が求める物語でもある。
ネットで広がる“期待と感動”の声
発売当初から話題を集めていたが、ドラマ化発表で再びSNS上が熱気を帯びた。
・「読んだら走りたくなった」
・「涙が止まらなかった」
・「これは“陸王”を超えるかもしれない」
感動だけでなく、「テレビ局側の話がリアル」「映像化したら絶対泣く」という声も多い。読者たちの共感は、“努力を見守る側”の気持ちにも広がっている。
来年の箱根駅伝がもっと楽しみになる！放送前に知っておきたい豆知識
ドラマ化にあたっては、関東学生陸上競技連盟の全面協力が決定している。これにより、箱根駅伝本番さながらの再現映像が期待されている。舞台設定の「明誠学院大学」には複数の実在校が重ねられており、駅伝ファンなら「この区間はあの大学か」と想像が膨らむはずだ。 原作中では駅伝だけでなく、スタッフが作る“駅伝の物語”も重要なテーマ。つまり、これは「走る者」と「伝える者」、両方の夢の物語でもある。
2026年のドラマ放送に向けて―今読むべき理由
原作は上下巻あわせて700ページを超える大作だが、テンポが良く、読むほどに走者たちへの共感が増す。放送前に読んでおけば、ドラマで描かれる各場面の意味やセリフの深みが何倍にも感じられるだろう。 来年の箱根駅伝をよりドラマチックに味わうための、最高の“予習本”。 “走るとは何か”“伝えるとは何か”──その答えを見つけに行く旅が、ここから始まる。
