10月下旬、SNSで「返金対応」という言葉が一気にトレンド入りした。きっかけは「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(通称プロセカ)の5周年イベント「5th Anniversary 感謝祭」で起きたトラブルだ。
記念イベントで飾られるはずだった“お祝い花(フラスタ)”の設置に不備があり、ファンが申し込んでいたフラスタが会場に並ばなかったり、意図と異なる形で設置されたという。運営が謝罪と「全額返金対応」を発表したことで、このワードが注目を集めている。
みんながざわついた「プロセカ5th Anniversary感謝祭」の出来事
SNS上では「せっかくの記念イベントなのに」「推しへの気持ちを形にしたかった」といった投稿が相次いだ。中には「学生のアルバイト代を貯めて申し込んだのに」と嘆く声もあった。
公式の説明によると、フラスタ設置の委託会社との間で手配上の不備が発生し、運営側が直接謝罪。全額返金の実施と、今後は別会社に委託先を変更することを明言した。
イベント自体は盛況だったものの、「5周年の節目に起きた不備」という印象が残り、ネットでは一時的に運営への信頼をめぐる議論が広がった。
運営の返金対応、その背景と狙い
返金対応は、金銭面だけでなくブランド信頼の維持にも直結する。イベントを運営する企業にとって、対応を誤ればファン離れにつながりかねない。
今回の全額返金という迅速な判断は、批判を最小限に抑えようとする意図が見える。とはいえ、ファンの多くが口にしたのは「お金が戻っても気持ちは戻らない」という言葉。誠実な対応を評価する声と同時に、“信頼の回復には時間がかかる”という現実も浮き彫りになった。
ネットで広がるファンのリアルな声
「返金対応してくれたのはありがたい。でも5周年の気持ちは台無し」
「全額返金より、ちゃんと飾ってほしかった」
「次のイベントは本当に安心して参加できるのかな」
SNSを見渡すと、安堵と寂しさが入り混じるコメントが多い。特に若年層のファンにとっては、1万円を超える支出が大きく、返金されても“楽しみにしていた時間”の損失は埋めがたい。
一方で、「ミスを認めて返金まで踏み切ったのは立派」「この対応なら次も応援できる」と前向きに受け止める投稿も一定数見られた。
他の「5th Anniversary」イベントとの比較
同じく“5周年”を迎えたJO1の「5th Anniversary ~祭り~」やGENICの「5th Anniversary Live」では、チケットやグッズに関して「払い戻し不可」「変更・キャンセル不可」と明記されている。
つまり、基本的には「返金対応」は例外的な措置だ。だからこそ今回のプロセカ運営の判断は注目を集めた。ファンイベントの在り方として、誠実さや説明責任がこれまで以上に問われている。
信頼を取り戻すためにできること
節目の「5th Anniversary」は、ファンと運営の絆を再確認する機会でもある。ミスが起きたときにどう向き合うか――そこに企業の姿勢が表れる。
今回の返金対応は「誠実さを見せる第一歩」だった。けれど本当の信頼回復は、次のイベントでファンが“また行きたい”と思えるかどうかにかかっている。
返金という対応の裏で、ファンが感じた痛みをどう受け止め、次につなげるか。2025年の秋、トレンドの裏にはそんな静かな問いが残っている。