試合を観て気づく“左サイドの動きが変わった”
最近のアーセナルを見ていると、左サイドの空気が少し違う。 試合ごとに顔ぶれが変わるのに、流れが切れない。マルティネッリ、スケリー、カラフィオーリ――この3人が交互にピッチに立ちながら、左の攻撃と守備をつないでいる。 特に10月中旬以降は、アルテタが明確にターンオーバーを意識した采配を続けており、「誰が出ても同じ強度を保てる左サイド」がチームの強みになりつつある。
なぜ今、マルティネッリがまた輝き始めたのか
マルティネッリのプレーには、少し前とは違う“しなやかさ”が戻っている。 ドリブルで切り裂くだけでなく、周囲との連携や守備の戻りにも目を向けるようになり、ピッチ全体を使うプレーが増えた。最近の試合ではスケリーのクロスに素早く反応し、惜しいシーンをいくつも演出。ファンからも「キレキレだった」「やっと本来のマルティネッリが戻った」との声が多い。 単なるコンディションの問題ではなく、アルテタの起用法が彼のリズムを取り戻させているのだろう。
スケリーとカラフィオーリ、ポジション争いのリアル
スケリーは若さと勢いが武器。守備面ではまだ粗さがあるものの、果敢なドリブル突破やクロスの質が上がっており、攻撃面での貢献度が高い。 一方のカラフィオーリは、経験と安定感でチームを支えるタイプ。左サイドバックからセンターバックにもスムーズにシフトできる柔軟さが評価されている。 アルテタはこの2人を試合内容や相手によって使い分け、ターンオーバーを戦術的に機能させている。スケリーが勢いをもたらし、カラフィオーリが整える。このバランスが今季のアーセナルの左サイドを支えている。
アルテタのターンオーバー戦略、どこまで意識的?
かつてのアーセナルは固定メンバーで走り抜ける傾向が強かった。 しかし今季は、週2試合の過密日程を見据えた上で、ターンオーバーを明確に組み込んでいる。 マルティネッリ、カラフィオーリ、スケリーといった選手たちが入れ替わることで、チーム全体の疲労分散と競争意識の維持を両立。単なる休養策ではなく、戦術的リズムを保つためのローテーションだ。 それによって、若手の成長と主力の安定感が自然に共存している。
ファンが感じている“安定と期待”のあいだ
SNSでは「マルティネッリが完全に戻ってきた」「スケリーはこれからの主力だ」といった肯定的な声が多い一方で、「カラフィオーリの守備はまだ不安」「若手に頼りすぎでは」という慎重な意見も見られる。 世代によっても受け取り方が異なる。ベテランファンは「安定感のある起用」を望み、若い層は「勢いのある若手登用」を好む。アルテタの采配はそのあいだを行き来しており、どちらの層も完全には手放せない。
これからの左サイド、どう変わっていく?
カラフィオーリのコンディションが整えば、スケリーとの競争はさらに激しくなる。 マルティネッリが絶好調を維持する中で、アルテタがどのように3人を使い分けるのか。 シーズン後半に向けて、ターンオーバーがチームの武器として成熟するか、それともリズムを乱すリスクになるか。 左サイドの物語は、まだ序章に過ぎない。 この三人がピッチで見せる一瞬一瞬が、アーセナルの未来を形づくっている。