【大爆発】嶺井博希、自身初の2打席連続弾で5打点!母の日に見せた"ベテラン捕手"の真価

驚愕の大活躍!京セラドーム大阪で魅せた自身初の2打席連続ホームラン

先制2ランに3ランを追加、チームの全得点を生み出す大暴れ

2025年5月11日、京セラドーム大阪で行われたオリックス対ソフトバンクの一戦で、ソフトバンクの嶺井博希捕手が自身初となる2打席連続ホームランという大記録を達成しました。両軍無得点の2回表、牧原大成選手の安打で1死1塁の場面で第1打席を迎えた嶺井選手は、オリックスの先発・田嶋大樹投手の低めの直球をすくい上げ、左中間スタンドへ運ぶ先制2ランホームランを放ちました。
さらに1点リードの4回無死一、二塁の場面では、田嶋投手の128キロスライダーを強振すると、打球は左翼ポール際に飛び込む3ランホームランとなりました。この1試合で2本塁打5打点という圧巻の活躍は、試合を観戦していたファンからも驚きの声が上がるほどの衝撃的なパフォーマンスでした。
特筆すべきは、この試合でソフトバンクが獲得した5点全てを嶺井選手が叩き出したという点です。いわば「嶺井選手の一人舞台」とも言える活躍でした。守備と打撃の両面で存在感を示したベテラン捕手の活躍に、球場全体が沸き立ちました。

"出来過ぎです"-謙虚ながらも満面の笑みの嶺井選手

記録的な活躍を見せた嶺井選手は、試合後のインタビューで「無死の一、二塁でヒッティングのサインを受けたので、待球に構えていました。2打席連続は少し出来過ぎですが、大きな追加点となって嬉しいです。今後は守備に切り替えて、しっかり頑張ります」と謙虚なコメントを残しました。
また、この日が母の日であることにも触れ、「母の日となる今日のゲームを勝ちにつなげられるように攻守ともに頑張っていきます」と語っています。ベテラン選手らしい落ち着いたコメントながらも、待望の大活躍に満面の笑みを浮かべる様子が印象的でした。
特に2打席連続ホームランは嶺井選手のプロ野球人生でも初めての経験であり、自身も「少し出来過ぎ」と驚きを隠せない様子でした。しかし、その謙虚な姿勢こそが、長いキャリアの中で培われた嶺井選手の人間性を表していると言えるでしょう。

苦難を経て掴んだチャンス-ホークス3年目の嶺井博希

昨季わずか4試合出場から今季復活-キャリア危機を乗り越えて

嶺井選手のこの活躍は、昨シーズンの苦しい状況を考えるとより一層輝かしく映ります。2024年シーズン、嶺井選手はわずか4試合の出場にとどまり、キャリアの危機とも言える状況に直面していました。ソフトバンク移籍2年目となる2024年は出場機会に恵まれず、本人も「去年、1軍にいなかったので」と振り返るほどの厳しい時期でした。
2022年にDeNAから国内フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンクに移籍した嶺井選手。4年総額3億円超という大型契約での加入でしたが、ホークスでは甲斐拓也選手という強力なライバルがいる中で、すぐには定位置を獲得できませんでした。
しかし、嶺井選手はファームでの調整を経て、今季は4月10日に1軍に昇格。それ以降は着実に出場機会をものにし、5月4日のロッテ戦では今季1号となる同点2ランホームランを放つなど、徐々に結果を残し始めていました。そして迎えた今回の活躍。長い野球人生の中で味わった苦難を乗り越え、33歳のベテランは新たな輝きを放ち始めています。

嶺井選手の2025年シーズン成績の推移

  • 4月10日:今季初昇格
  • 5月4日:ロッテ戦で第1号2ランホームラン(同点弾)
  • 5月11日:オリックス戦で2、3号ホームラン(2打席連続)、5打点

    5月4日のロッテ戦に続く今季3号ホームラン-続く好調の理由

    嶺井選手の好調は突然訪れたものではありません。5月4日のロッテ戦では2点ビハインドの4回裏、2死2塁から同点となる今季1号2ランホームランを放っています。その際には「先制を許してしまい、何とか早い段階で追いつきたいという思いだけでした。ホームランと出来すぎた結果になって良かったです」とコメントしていました。
    その打撃フォームは「華麗なバット投げと確信歩き」と表現されるほどの自信に満ちたものであり、嶺井選手の打撃感覚が絶好調であることを示していました。今季ファームでは5試合で9打数4安打と好調をキープしており、1軍昇格後も打撃面での好調を維持し続けています。
    嶺井選手の好調の理由としては、昨シーズンの経験が糧になっていることが考えられます。出場機会が限られていた昨年、嶺井選手は若手投手と積極的にコミュニケーションを取り、チームの状況把握に努めていました。その地道な努力が実を結び、今シーズンは攻守両面での存在感を発揮しているのです。

    チームに欠かせない存在に-小久保監督が期待する"パイプ役"

    若手投手が語る嶺井選手の価値-コミュニケーションの妙

    嶺井選手の価値は打撃面だけではありません。小久保裕紀監督は嶺井選手について「(試合に)出ていない時でも、ピッチャーと他のキャッチャー陣の間に入ってくれて。そういう役割も期待していた。上手くパイプ役をしてくれていますね」と高く評価しています。
    チーム内では若手投手たちからも厚い信頼を集めています。プロ2年目の大山凌投手は「自分からも話しかけに行くし、嶺井さんからも話しかけてもらいます。野球の話もするし、くだらない話もします。お風呂でも話すし、遠征の移動中とか空港の待ち時間でも」と、嶺井選手とのコミュニケーションについて語っています。
    また松本晴投手は「『きょうはどういう球で、こういう意図があって』というのを、(登板が)終わったらすごく話してくれます。受けて感じたことなどを、すごく細かく伝えてくれます」と、嶺井選手からのフィードバックが非常に有益だと証言しています。

    若手との距離の縮め方

  • 「イジり」を通じたコミュニケーション
  • 試合後の具体的なフィードバック提供
  • 野球以外の「くだらない話」も大切に
  • 遠征や空港待ち時間など様々な場面での交流

    今後の起用法と展望-母の日の活躍が示す嶺井選手の可能性

    今回の大活躍は、嶺井選手の今後の起用に大きな影響を与えるかもしれません。かつて藤本博史監督は「投手は予告先発だけど、捕手は予告先発ではない。相手は甲斐のリードを研究しておけばいいと思っているかもしれない。甲斐がメインになってくると思うけど、そこにうまく何人かはめられる形になれば」と述べており、捕手の併用プランを示唆していました。
    この母の日の大活躍によって、嶺井選手が単なるバックアップではなく、積極的に起用すべき戦力であることが改めて証明されました。バッティングセンスの良さ、経験に基づく冷静な判断力、そして若手との円滑なコミュニケーション能力など、33歳のベテラン捕手が持つ多面的な価値は、チームにとって大きな武器となっています。
    今後は甲斐選手とのより有機的な併用が進み、相手投手や試合状況に応じた最適な起用が期待されます。嶺井選手自身も「今後は守備に切り替えて、しっかり頑張ります」と語るように、打撃だけでなく捕手としての本分を全うする姿勢を見せています。母の日に放った2本のホームランは、ソフトバンクにおける嶺井博希の新たな章の始まりを告げるものかもしれません。

    今後の嶺井選手に期待される役割

  • 勝負強い打撃で得点に貢献
  • ベテランとしての経験を生かした投手リード
  • 若手投手陣の成長を支えるメンター的役割
  • 甲斐選手との効果的な併用による捕手陣の強化