カムニャック、4番人気から見事なオークス制覇!
レース展開と勝利の瞬間
2025年5月25日、東京競馬場で行われた第86回オークス(G1・芝2400m)において、4番人気のカムニャックが見事に優勝を果たした。勝ちタイムは2分25秒7(良)で、アンドレアシュ・シュタルケ騎手とのコンビでフローラSに続く重賞連勝を達成した。
レースは大外枠から豪快に差し切る形での勝利となり、2着には先に抜け出した2番人気のアルマヴェローチェがアタマ差で続いた。3着には10番人気のタガノアビーが1馬身1/4差で入線し、1番人気に推されたエンブロイダリーは9着に敗れる波乱の展開となった。
フローラSからの上昇カーブ
カムニャックは前走の4月27日に行われたフローラS(G2)で7番人気から勝利を収め、オークスへの優先出走権を獲得していた。同レースでは1分58秒6のレースレコードで重賞初制覇を飾り、今回のオークス制覇への足がかりを築いていた。
調教サイドからは「前走のフローラSよりも状態面がアップしている」との声が上がっており、減った馬体も戻せた状態での出走となった。友道康夫調教師は「一番いい出来で出走できる」とレース前にコメントしていた通りの結果となった。
歴史を刻んだシュタルケ騎手、51歳でのG1初勝利
25度目の挑戦でついに掴んだ栄冠
鞍上のアンドレアシュ・シュタルケ騎手にとって、この勝利は特別な意味を持つものとなった。短期免許で来日中のシュタルケ騎手は、これがJRA・G1初制覇で、25度目の挑戦でついに栄冠を手にした。
ドイツ出身のシュタルケ騎手は2011年の凱旋門賞をデインドリームで制覇した実績を持つ世界的騎手で、ドイツダービーに8勝、ドイツチャンピオンジョッキーに10度輝いている。日本での重賞勝利は2025年のフローラSに続く2勝目となった。
オークス史上最年長制覇記録を更新
シュタルケ騎手の今回の勝利は、51歳4カ月22日でのものとなり、2009年にブエナビスタで制した安藤勝己元騎手の49歳1カ月27日を更新するオークス史上最年長制覇記録となった。ベテラン騎手の経験と技術が光る勝利として、競馬界で大きな話題となっている。
名門血統が開花!ダンスパートナーの血を受け継ぐサラブレッド
父ブラックタイド、母系にオークス馬の血統
カムニャックは父ブラックタイド、母ダンスアミーガ、母父サクラバクシンオーという血統構成を持つ3歳牝馬である。特に注目すべきは、曽祖母に1995年のオークスを制したダンスパートナーがいることで、まさにオークス馬の血を受け継いでの制覇となった。
ブラックタイドはサンデーサイレンス系の種牡馬で、母系にはエルコンドルパサーの血統も入っており、スピードとスタミナを兼ね備えた血統背景を持っている。この血統的な裏付けが、2400mのオークス制覇につながったと言えるだろう。
社台ファーム生産、金子真人HDの所有馬
カムニャックは社台ファームが生産し、金子真人ホールディングス株式会社が馬主を務める馬である。通算成績は5戦3勝で、新馬戦を2000mで勝利するなど、当初から距離適性の高さが期待されていた。
友道康夫調教師は「2000mの新馬戦でデビューしたように、最初から距離は持つと思っていた」とコメントしており、血統的な背景と調教サイドの見立てが的中した形となった。
友道康夫調教師、オークス初制覇でクラシック完全制覇に王手
調教師としての実績と今回の意義
栗東トレーニングセンター所属の友道康夫調教師(61歳)にとって、今回のオークス制覇は初めてのものとなった。2002年に厩舎を開業した友道調教師は、これまでに皐月賞(アンライバルド)、東京優駿(マカヒキ、ワグネリアン)、秋華賞(ヴィブロス)などのクラシック制覇の実績を持っている。
今回のオークス制覇により、友道調教師のクラシック完全制覇は桜花賞を残すのみとなった。これは調教師としての大きな節目となる快挙であり、競馬関係者からも高く評価されている。
カムニャックの今後への期待
友道調教師は以前から「去年の新馬の時からオークスを目指してきた馬」とコメントしており、計画通りの結果を得ることができた。レース後のコメントでは、カムニャックの今後の活躍への期待も高まっており、秋のG1レースでの活躍が注目される。
オークス制覇により、カムニャックは3歳牝馬の頂点に立った。今後は秋華賞やエリザベス女王杯などの大舞台での活躍が期待され、競馬ファンの注目を集め続けることになるだろう。