カムニャックがオークス優勝!4番人気から大逆転勝利
2025年5月25日、東京競馬場で歴史的瞬間が誕生
2025年5月25日、東京競馬場で行われた第86回オークス(G1・芝2400m)において、4番人気のカムニャック(牝3歳・友道康夫厩舎)が見事にG1初制覇を飾りました。アンドレアシュ・シュタルケ騎手が手綱を執ったカムニャックは、2分25秒7の勝ちタイムで頭差の2着アルマヴェローチェを振り切り、1着賞金1億5千万円を獲得しました。
この勝利により、カムニャックは通算5戦3勝という安定した成績を残し、総獲得賞金は6,346万円に達しています。レースでは集団の中ほどに位置取り、最後の直線で外側から見事な末脚を披露して勝利を手にしました。
シュタルケ騎手とのコンビが生んだ勝利
短期免許で騎乗している51歳のシュタルケ騎手にとって、今回のオークス勝利は1997年のJRA初騎乗から28年後につかんだ日本でのビッグタイトルとなりました。「中団でリラックスしてくれて、最後に素晴らしい脚を使ってくれた。日本でG1を勝つことができて本当に嬉しい」と笑顔でコメントしています。
ブラックタイド産駒の快挙!キタサンブラックに続くG1馬誕生
ディープインパクトの全兄が証明した種牡馬としての価値
カムニャックの父ブラックタイド(2001年生・24歳)は、2005年のクラシック三冠馬ディープインパクトの全兄として知られる名種牡馬です。現役時代は2004年のスプリングステークス(G2)などを制し、総獲得賞金1億6,207万円を記録しました。
種牡馬としてのブラックタイドの最大の功績は、2012年生まれのキタサンブラック(2016年・2017年年度代表馬、G1・7勝)を送り出したことです。キタサンブラック自身も現在は種牡馬として活躍しており、初年度産駒からG1・6勝馬のイクイノックスを輩出するなど、血統の継承が着実に進んでいます。
ブラックタイド産駒のG1通算成績
カムニャックの今回の勝利により、ブラックタイド産駒のJRA・G1勝利数は通算8勝目となりました。主要なG1勝利馬には以下があります:
- キタサンブラック:G1・7勝(年度代表馬2回)
- カムニャック:2025年オークス優勝
2025年種牡馬ランキングでの現在地
2025年の種牡馬ランキングにおいて、ブラックタイドは34位にランクインしており、24歳という高齢ながらも現役で活躍を続けています。勝率7.6%、連対率19.5%という安定した成績を維持し、総賞金2億8,882万円を記録しています。
24歳ブラックタイドの種牡馬実績と現在の状況
少数精鋭での種牡馬活動
現在24歳のブラックタイドは、日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで繋養されており、近年は少数精鋭での種牡馬活動を行っています。2024年には7頭に種付けを行い、2025年も現在のところ3頭に交配を実施しています。
ブリーダーズ・スタリオン・ステーションの関係者は「無理をせずに仕事をしていますが、この年齢とは思えないほどの素晴らしい状態を保っています」とコメントしており、高齢ながらも健康状態は良好とのことです。
種付け料の推移と市場評価
ブラックタイドの種付け料は以下のように推移しています:
- 2021年:200万円(106頭)
- 2022年:200万円(96頭)
- 2023年:200万円(107頭)
- 2024年:250万円(125頭)
- 2025年:400万円
カムニャックの活躍により、2025年の種付け料は前年比60%増の400万円まで上昇しており、市場からの評価の高さを物語っています。
カムニャックの血統背景と競馬成績を詳細分析
優良血統の組み合わせが生んだ傑作
カムニャックの血統構成は以下の通りです:
- 父:ブラックタイド(サンデーサイレンス系)
- 母:ダンスアミーガ(2011年生・栗毛)
- 母父:サクラバクシンオー
- 3代母:ダンスパートナー(1995年オークス・1996年エリザベス女王杯勝ち馬)
この血統構成について、生産者の社台ファーム・吉田照哉代表は「キタサンブラックがいたからサクラバクシンオーの牝馬にブラックタイドをつけた。1歳のセリで出したけれど、牝馬とは思えないくらい雄大でノビノビしていた」と振り返っています。
デビューから現在までの競走成績
カムニャックの競走成績を詳しく見ると以下の通りです:
2024年(2歳時)
- 8月11日:中京2歳新馬戦 1着(川田将雅騎手・1番人気)
- 10月26日:東京アルテミスS(G3) 6着(川田将雅騎手・1番人気)
2025年(3歳時)
- 2月10日:京都エルフィンS(L) 4着(川田将雅騎手・3番人気)
- 4月27日:東京フローラS(G2) 1着(A.シュタルケ騎手・7番人気)
- 5月25日:東京オークス(G1) 1着(A.シュタルケ騎手・4番人気)
特にフローラSでは1分58秒6のレースレコードで重賞初制覇を飾り、オークスへの優先出走権を獲得しました。この勝利がオークス制覇への大きなステップとなったことは間違いありません。
今後の展望と期待
カムニャックの母ダンスアミーガは現在も繁殖牝馬として活躍しており、2歳に父キズナの牡馬、当歳は父エピファネイアの牝馬が控えています。また、今年はコントレイルとの交配も行われており、さらなる良血馬の誕生が期待されています。
ブラックタイド血統の今後については、キタサンブラックの種牡馬としての成功、そして今回のカムニャックのG1制覇により、サンデーサイレンス直系としての地位がより確固たるものになったと言えるでしょう。24歳という高齢ながらも、ブラックタイドはまだまだ競馬界に大きな影響を与え続ける種牡馬として注目され続けています。