2025年7月4日、日本の水産技術にとって大きな一歩となる発表がありました。
「水研機構」と「ヤンマー」が、ウナギの完全養殖に向けた重要な技術について特許を取得したのです。
このニュースはSNSでも大きな注目を集め、食卓にもたらす影響や環境への貢献に期待が高まっています。
ウナギの完全養殖、ついに実用化フェーズへ
特許の内容は大きく2点。
まず、従来の10倍の密度でウナギの稚魚を飼育できる新型の大型水槽技術。
そして、鶏卵や乳タンパクをベースにした成長促進飼料に関する技術です。
この組み合わせにより、生産効率とコスト面で大きな前進がありました。
2024年には人工稚魚の生産費用が約1,800円まで低下。
天然稚魚(500~600円)に比べてまだ高いものの、以前と比べると飛躍的な改善です。
水研機構とは? ヤンマーとは?養殖界の最前線
「水研機構(正式名称:水産研究・教育機構)」は、国の水産研究を担う中核機関。
魚の育成から環境技術まで、持続可能な水産業の研究を進めています。
一方、ヤンマーといえば農業機械の印象が強いですが、近年は「食と未来産業」に注力。
バイオテクノロジー分野での挑戦として、完全養殖への貢献が注目されています。
完全養殖って何? 一般人が勘違いしやすいポイント
“完全養殖”とは、自然の稚魚を使わず、親魚から卵を取り人工的にふ化・育成し、再び親にするまでの循環をすべて人の手で行う技術です。
今回の特許はこの“完全養殖”のうち、稚魚の大量育成と効率的成長に関する技術です。
そのため「完全循環型の商業化」はまだ道半ばですが、実現へのステップであることは確かです。
値段は安くなる? 鰻重の未来予測
現在の人工稚魚コストは1匹あたり約1,800円。
以前は数万円と言われた時代から大幅に下がりました。
土用の丑の日に、安定的に国産ウナギが手に入る未来は近づいています。
ただし、市場価格がすぐに「安くなる」とは限らず、商業化にはもう少し時間が必要です。
ネットの声:「うれしい」「でも不安」賛否の温度差
SNS上では、この話題に対してさまざまな反応が寄せられています。
- 「おーこれでお値段安くなれば完璧やな!」
- 「完全養殖って文字だけで鰻って思った…」
- 「人工稚魚生産費、2024年に1800円ってすごい。資源保護の観点から量産化加速だね」
- 「問題は商業的にペイできるかだ。たぶん無理」
- 「“完全養殖”っていうから世代を渡る循環ができたのかと思ったけど、どうも違うらしい…」
- 「土用の丑の日はやはりウナギ食べたい。安定供給に期待」
- 「安全性と環境負荷、それから価格がどうなるかが課題」
期待と冷静な視点が交錯する中で、「養殖ウナギの未来」がリアルな関心事になっている様子がうかがえます。
地球と未来のために、いまこの技術が必要な理由
ウナギは食文化の重要な一部であると同時に、環境保護の観点から国際的にも注目されている資源です。
天然稚魚の過剰捕獲は持続可能性を脅かす要因であり、ワシントン条約でも取り扱いが検討されています。
そうした中、“完全養殖”への技術進化は、未来のウナギ食文化を守りながら、自然環境を守る道でもあります。
今後のコスト削減と技術進展に、改めて注目が集まります。