学校側が“被害者ポジション”? 広陵高校辞退騒動が突きつけるSNS時代の危機管理

広島・広陵高校が、甲子園出場を目前にして辞退を発表しました。
会見で校長は「SNS拡散による二次被害」を強調しましたが、この発言がネット上で大きな波紋を呼んでいます。
「学校側が被害者ポジションでは?」という声が相次ぎ、SNSと紙媒体の情報発信の温度差も浮き彫りになりました。

辞退の背景と会見のポイント

暴力行為が野球部内で発覚し、広陵高校は大会辞退を決定。
会見では、暴力の事実とともに「SNSによる情報拡散」が二次被害を拡大させたと説明されました。
しかし、広島市議の椋木太一氏は、X(旧Twitter)で次のように指摘しています。
「本質は初動対応の不適切さ。SNSのせいにしているように見える」
この発言が拡散され、「SNS=悪」という学校側のニュアンスに反発する意見が急増しました。

SNS世代と紙媒体世代の視点の差

SNSは数分単位で情報が共有される告発の場です。
一方で紙媒体や従来型報道は、取材と編集を経た“後追い”情報を提供します。
今回、「SNSのせい」という発言は、SNS世代にとっては「事実を明るみに出した手段への否定」に聞こえ、
紙媒体世代には「混乱を招く危険な情報源」と映る可能性があります。
この視点のズレこそが、世代間の温度差を生んでいます。

ネットの反応と世論の温度

Yahooリアルタイム検索では、「学校側が被害者ポジション」「SNSのせい」「オールドメディア」などが急上昇。
X上には、こんな声が目立ちました。

  • 「まるで、被害者ポジション?なんで学校側が被害者面してるんだか。」
  • 「守りたいのは自分たち。生徒ではないのは明らか。」
  • SNSのおかげで被害者の親が子供を助けられた。…何言ってんの…」

コメントの多くは、学校が本当に守るべき対象を見誤っているのではという疑問に集約されます。
特に「SNSがなければ事実は隠蔽されていた可能性がある」という指摘は根強く、
加害側が被害者の顔をしているように見えることへの嫌悪感が広がっています。

危機管理と情報公開の教訓

今回の事例が示すのは、暴力事案発覚時における透明性確保の重要性です。
SNSの時代では、隠蔽や情報操作は即座に見抜かれ、批判が加速します。
加害者の反省だけでなく、組織全体の説明責任が厳しく問われるようになっています。
情報発信において「誰のための説明なのか」を見失えば、炎上は避けられません。

結論

広陵高校の辞退騒動は、教育現場だけでなく企業や自治体など、あらゆる組織に共通する教訓を含んでいます。
SNSは確かに諸刃の剣ですが、事実を闇から引き出す光でもあります。
その光を恐れるのではなく、誠実な説明と行動で向き合うことこそが、信頼回復への唯一の道です。