【速報】ウシュバテソーロ引退!26億円超獲得の歴代賞金王が種牡馬入り?ドバイWC制覇の名馬がもたらす新たな血統価値?

ウシュバテソーロが競走馬登録抹消、現役を引退

JRAが5月7日に公式発表、繋養先は未定

日本中央競馬会(JRA)は2025年5月7日、2023年のドバイワールドカップを制したウシュバテソーロ(8歳牡馬、美浦・高木登厩舎、父オルフェーヴル)の競走馬登録を同日付で抹消したと発表しました。了徳寺健二ホールディングス株式会社が所有する同馬は、今後は種牡馬となる予定ですが、繋養先についてはまだ未定とのことです。
2017年3月4日生まれのウシュバテソーロは、父にオルフェーヴル、母にミルフィアタッチ(父キングカメハメハ)を持ち、北海道新ひだか町の千代田牧場で生産されました。2017年のセレクトセール当歳セッションで2500万円で落札され、高木登厩舎に入厩しました。

ドバイWC6着が最後のレースに

ウシュバテソーロの最後のレースとなったのは、今年4月5日に行われたドバイワールドカップでの6着でした。3年連続の挑戦となった同レースで有終の美を飾ることはできませんでしたが、昨年(2023年)の同レースでは日本馬として2011年のヴィクトワールピサ以来、12年ぶりの優勝という快挙を成し遂げています。

「世界のウシュバ」が残した金字塔

39戦11勝、総獲得賞金26億円超は日本馬歴代1位

ウシュバテソーロの通算成績は39戦11勝(JRA 26戦6勝、地方 6戦4勝、海外 7戦1勝)。重賞は5勝を挙げています。その総獲得賞金は26億131万1100円(うちJRA 1億1988万4千円、地方 3億4400万円、海外 21億3742万7100円)にのぼり、日本調教馬の歴代獲得賞金記録の1位となっています。2位は今年のサウジカップを制したフォーエバーヤングの23億8193万5900円で、2億円以上の差をつけての歴代1位です。
海外での活躍が賞金額を大きく押し上げた形となりましたが、国内でも安定した成績を残し、特にダート路線では屈指の存在感を示しました。

ドバイワールドカップ制覇と東京大賞典連覇

ウシュバテソーロの代表的な勝利は、何と言っても2023年3月のドバイワールドカップ(G1)制覇でしょう。川田将雅騎手を背に、最後方からの鮮やかな差し切り勝ちは多くの競馬ファンの記憶に刻まれています。
また、2022年と2023年の東京大賞典(国際G1/JpnI)を連覇したことも特筆すべき功績です。特に2022年の東京大賞典は、ダート転向後わずか5戦目での重賞・G1初制覇となり、その適性の高さを示しました。このほか、2023年には川崎記念(JpnI)や日本テレビ盃(JpnII)なども制しています。

芝からダートへの転機が生んだ名馬

ウシュバテソーロは当初、芝馬として競走生活をスタートさせました。2019年8月に新潟の芝1800mでデビューし、翌2020年4月に東京の芝2400mで初勝利を挙げます。その後もダービートライアルのプリンシパルステークスに出走するなど、芝の中長距離路線で活躍が期待されていました。
しかし、真の輝きを放ったのはダート転向後でした。5歳となった2022年4月30日の横浜ステークス(ダート2100m)が転向初戦となり、これを勝利。以降、驚異的な末脚を武器に次々と勝利を重ね、同年12月の東京大賞典で頂点に立ちました。この「転機」があったからこそ、「世界のウシュバ」という名馬が誕生したのです。

種牡馬としての新たなスタート

種付け料は500万円クラスか?業界の予想

引退が発表されたウシュバテソーロですが、今後は種牡馬として第二の馬生をスタートさせます。?養先については現時点では未定とされていますが、その実績から社台スタリオンステーション入りの可能性も取り沙汰されています。
種付け料についても正式発表はまだありませんが、業界では500万円前後の設定になるのではないかと予想されています。現在のダート系種牡馬では、ナダルの1000万円が最高額となっており、ヘニーヒューズやレモンポップ、ドレフォンなどのトップクラスの種牡馬が500万円の設定です。ウシュバテソーロもこのクラスに位置づけられる可能性が高いでしょう。
時期的には2026年から本格的に種付けを開始するとみられています。

オルフェーヴルの血を受け継ぐ名馬の価値

ウシュバテソーロの父オルフェーヴルは、史上7頭目の三冠馬(2011年)で、2回の凱旋門賞2着など国際舞台でも活躍した名馬です。種牡馬としても、マルシェロレーヌ(BCディスタフ勝ち)など国内外で活躍馬を送り出しています。2025年の種付け料は350万円と設定されています。
オルフェーヴルの産駒は芝・ダート不問で活躍する傾向があり、やや晩成タイプが多いとされます。ウシュバテソーロ自身もその特徴を体現した馬と言えるでしょう。芝からダートに転向して大成功を収めた経歴は、種牡馬としての可能性の広さを示すものでもあります。
母系はキングカメハメハの娘ミルフィアタッチで、サンデーサイレンス系の血が濃いことも特徴です。これらの血統的背景は、将来の産駒にどのような影響を与えるか、多くの専門家が注目しています。

ダート系種牡馬市場での位置づけ

近年、日本のダート系種牡馬市場は活況を呈しています。アメリカ産馬だけでなく、日本調教馬から誕生したダート系種牡馬の価値も高まっています。
ウシュバテソーロはドバイワールドカップという世界最高峰のダートG1を制した実績から、日本のダート系種牡馬市場でもトップクラスの位置を占めることが期待されます。特に国際舞台で活躍できる素質を持った産駒を送り出す可能性に、期待が集まっています。
- ダート系種牡馬2025年種付け料トップクラス - ナダル:1000万円 - シニスターミニスター:800万円 - ヘニーヒューズ、レモンポップ、ドレフォン:500万円 - パイロ:400万円 - ホッコータルマエ、マジェスティックウォリアー:300万円

ファンの反応と今後の展望

SNSで広がる感謝と期待のメッセージ

ウシュバテソーロの引退発表を受け、SNS上では多くのファンから感謝と労いのメッセージが投稿されています。競馬ラボのX(旧Twitter)アカウントは「記録にも、記憶にも残る名馬」と表現し、多くの反響を呼んでいます。
「最後まで素晴らしいレースをありがとう」「ドバイでの勝利は感動した」「産駒の活躍に期待」といった声が数多く見られ、ウシュバテソーロが多くのファンの心に残る名馬であったことがうかがえます。

2026年種付けシーズンに向けた今後の展開

ウシュバテソーロは今後、種牡馬としての準備を進め、2026年のシーズンから本格的に種付けを開始すると見られています。?養先や正確な種付け料などの詳細は、今後の発表を待つ必要があります。
オルフェーヴルの後継種牡馬として、また日本の競馬史に輝かしい記録を残した名馬の産駒として、その第一世代の登場は大きな注目を集めることになるでしょう。特にダート路線での活躍が期待される一方、自身の経歴から芝での可能性も秘めた産駒が誕生する可能性も高く、ブリーダーからも大きな注目を集めることになりそうです。
時代を超えて語り継がれる名馬が、これから生み出す新たな血統の価値に、日本競馬界の期待が集まっています。「世界のウシュバ」の第二の馬生に、どうぞご期待ください。