キラーアビリティ引退の発表と経歴
GI馬として輝いた競走生活
本日(2025年5月13日)、キャロットファームから2021年ホープフルステークス(GI)覇者キラーアビリティ(牡6歳、父ディープインパクト、母キラーグレイシス)の引退が発表されました。斉藤崇史厩舎に所属したキラーアビリティは、通算18戦3勝、うち重賞は2021年ホープフルステークスと2022年中日新聞杯の2勝を挙げ、獲得賞金は2億87万9200円に達します。
キラーアビリティは、2歳の2021年12月に横山武史騎手の騎乗でホープフルステークスを制した際、1馬身半差の2着に4番人気ジャスティンパレス、さらに1馬身1/4差の3着に8番人気ラーグルフが入るという見事な勝利を収めました。当時のレース後、横山騎手は「馬も何とかリラックスして走ってくれて、とてもいいポジショニングで頑張ってくれました」とコメント。管理する斉藤調教師も「瞬発力がすごい反面掛かるところもあるので、その辺りが成長してきてくれれば更に良い」と評していました。
最後のレースとなったサウジアラビア遠征
キラーアビリティの最後のレースは、2025年2月22日にサウジアラビアで行われたネオムターフカップ(GII)となりました。結果は10着に終わりましたが、国際舞台での経験を積んだ一戦となりました。
引退前の近年の成績としては、2024年9月の中山でのオールカマー(GII)で10着、2023年12月の中京での中日新聞杯(GIII)で4着、2023年10月の東京での富士ステークス(GII)で12着などとなっていました。また、2022年5月の東京優駿(日本ダービー)では6着に入るなど、クラシック競走でも健闘していました。
なぜインドなのか?日印競馬の深い縁
「インドのフランケル」を生んだウインレジェンドの成功
キラーアビリティのインドでの種牡馬入りは、日本とインドの競馬界の長い縁を感じさせます。2006年に葵ステークス(当時はオープン特別)を制したサンデーサイレンス産駒のウインレジェンドがインドで種牡馬となり、10頭以上のクラシックホース(GI勝ち馬)を輩出。「インドのフランケル」の異名を持つサーセシルなどの名馬を送り出し、インドスタッドブックに「殿堂入り種牡馬」として顕彰されるほどの成功を収めています。
ウインレジェンドは競走馬としては近親にウォーニング、コマンダーインチーフ、レインボウクエストなどの名馬がいる良血馬として期待されながらも、「限度を超えたキツイ気性」のために競走馬としては大成できず重賞未勝利に終わりました。しかし、種牡馬としてはインドで大きな成功を収めました。
また、1956年に日本ダービーを制したハクチカラも1968年にインドに寄贈され、同地では複数のクラシックホースを送り出すなど成功した歴史があります。
日本産馬が活躍するインドダービー
今年(2025年)のインドダービーは、かつて日本で活躍したディープインパクト産駒のフィエロの子であるランケリーノが差し切りで勝利しています。フィエロは社台ファーム生産のディープインパクト産駒で、競走馬時代、金子真人ホールディングスが所有し、藤原英昭調教師が管理。重賞は勝てなかったものの、2014、15年のマイルチャンピオンシップで2着、16年の安田記念で3着になるなど、マイル路線で存在感を見せていました。
インドダービーの1着賞金は1695万ルピー(約3000万円)と、かなりの規模で実施される一戦です。また、近年はクリストフ・ルメール騎手やオイシン・マーフィー騎手などの世界的ジョッキーも参戦する国際的なレースとなっています。
- インドダービー1着賞金:約3000万円(1695万ルピー)
- 世界的ジョッキーも参戦する国際的なレース
- 日本産馬の血統が活躍中
キラーアビリティに期待される役割と今後
ディープインパクト産駒として血統を繋ぐ使命
キラーアビリティは父ディープインパクトの血を南アジアの競馬大国インドで次世代につなぐ大切な役割を担うことになります。故ディープインパクトは日本競馬史上最高の種牡馬の一頭として、その血統は国内外で高く評価されています。
すでにインドではフィエロの産駒がダービーを制するなど、ディープインパクト系の血統の活躍が見られます。キラーアビリティもGI馬として優れた資質を持っており、インドの競馬界に新たな風を吹き込む可能性を秘めています。
競馬ファンの反応と期待の声
キラーアビリティの引退とインドでの種牡馬入りのニュースは、X(旧Twitter)などのSNSで大きな話題となっています。Yahoo!リアルタイム検索トレンドでも「キラーアビリティ」は上位に入り、「種牡馬として」「ディープインパクト産駒」「次の世代」などのキーワードとともに話題になっています。
「ドウデュース関係馬報」というハッシュタグとともに「ドウデュースと皐月賞、日本ダービー、京都記念で対戦したキラーアビリティが引退」と伝える投稿も見られ、クラシック戦線でのライバル関係を懐かしむ声も。
日本の競馬ファンにとっては名馬の引退は惜しまれますが、次のステージでの活躍に期待が集まっています。キラーアビリティが「第二のウインレジェンド」として、インドの競馬界で成功することを多くのファンが願っています。
- SNSでは「ディープの血がインドへ」などの反応
- ライバル馬との思い出を振り返る声も
- 「第二のウインレジェンド」になれるか注目